どうして鳩は平和の象徴なのか?

こんにちは、大阪府茨木市の鳩のフン清掃 代表の永瀬です。

今日はなぜ鳩が平和の象徴とされているのか、その歴史と由来を解説いたします。

鳩が平和の象徴となったきっかけ

ハトは群れを成す性質から、オリーブと共に平和の象徴として全正解共通の認識が持たれているそうです。これは旧約聖書のノアの箱舟の伝説にも由来していて、要約すると下記のようなものになります。

ノアが大洪水から家族を守るため、方舟(はこぶね)を建設。その方舟に妻、ノアの3人の息子とそれぞれの妻に加え、地球上にいた全ての動物を乗せ、共に大洪水が収まるのを待ちました。
地上の様子を調べるため、ノアはカラスと鳩を飛ばして水が引いて地上が戻った場所があるかを確認しようとします。すると、カラスは帰ってきませんでしたが、鳩はすぐ戻ってきました。このことから、ノアは「地上がまだなく、鳩が降り立つ場所がなかった」ことを知るのです。
7日後に再び鳩を放つと、今度は鳩がオリーブの葉を口に咥えて戻ってきました。これにより、ノアは大洪水が終わったことを知ります。
それからさらに7日後に鳩を飛ばすと、鳩は戻ってきませんでした。
ノアは地上が復活したことを知ります。世界に平和が訪れたのです。

このように、鳩が平和の象徴とされるきっかけとなったのは「ノアの箱舟」でした。

ただ、この「鳩=平和の象徴」という認識が全世界に広まったのは、1949年4月にパリで開催された世界平和評議会のポスターに、パブロ・ピカソが平和の象徴としての鳩のイメージを描いてからです。

ピカソは幼いころからハトに愛着を持っていて、作品のモチーフとしても鳩を多く描いていました。アトリエでハトを飼っていたこともあり、自分の娘にも「パロマ(スペイン語で鳩)」と名付けていたそうです。

ピカソが平和の象徴として鳩を描いていたことから、世界中で鳩=平和の象徴として認知されていくようになりました。

広島の平和記念公園では鳩のエサも販売していた

広島市の平和記念公園でも、一昔前までは鳩の餌を売店で販売していたそうです。

ただ、鳩に餌をやることで鳩の数がどんどん増えていったため、市内のマンションや工場などで鳩のフンや羽毛が散乱するなどの被害が問題となってきたんです。

これを問題視した広島市は1992年に「広島市はと対策検討委員会」というものを設け、鳩対策についての検討をおこなうようになりました(調査によると、市内160ヶ所で約7600羽の鳩が観察されたそうです)。

鳩が一番多い場所は平和記念公園で約2000 羽、公園に隣接している平和大通りで1100羽観察され、この二ヶ所で広島市全体の45%を占めていました。

鳩=平和の象徴とされているため、その鳩を駆除してしまうのは難しいわけです。そこで、1994年から売店での鳩のエサ販売が中止になり、 現在までその取り組みは続いています。

現在は平和記念公園周辺の鳩被害も減って、住民からの苦情もなくなっているそうです。

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